チベットの巡礼は「仏法に深く帰依し、心から祈りを捧げる時間を持ちたい」と願う世俗の信仰者の強い願望が生み出す信仰行為です。その「信仰のための時間」をどのぐらいのスパンで考えるかは、個々人のこれまでの人生遍歴によります。日常生活の忙しさにかまけて深い信仰に沈潜する時間を持てなかった人は、どんなに遠い場所であろうと、そこへの巡礼を「自らの心の安寧と来世のための、一生に一度のチャンス」というほどの意気込みで捉えています。
もちろん、経済的に恵まれた境遇、たとえば都市部の裕福なチベット人なら、巡礼のために長期間家を留守にしても問題は少なく、余裕を持って旅に出られることは確かです。しかし、家のことを気遣い、躊躇やためらいを覚えながらも、自らの信仰上の達成を重視する農村部のチベット人は、一度巡礼に出てしまえばその目的を達成するまでは故郷に帰らない覚悟なので、乞食をしてでも巡礼を続けます。 NEW 在庫所持★即納関税負担★One Teaspoon Le Sierra Jumpsuit
チベットで出会う巡礼の人々が往々にして開放的で陽気で、生き生きと充実した時間をすごしているように見えるのはそのせいだ、と感じます。